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好き勝手に喋る

天才劇団

つい先日、天才劇団バカバッカ GOD AND DEATH の千秋楽を観てきた。
座長は、わたしがいまズブズブになっているヒプマイの山田一郎こと木村昴さんだ。彼が舞台をします!落語の死神テーマです!なんて言うので、落語も好きなわたしはすっ飛んで行ったというわけだ。


あらすじはこうだ

落語「死神」の主人公だった男は、生まれ変わり、現在は消防士(八神夜)になっている。
たまに前世の夢を見るものの、それ以外は、仕事にも不満はなく、
大切な恋人(染谷千里)もできた。すべてが順調に見えたが、
一つだけ気がかりなのは、町で起こっている連続放火事件。
徐々に八神の周りに現れる(死神)(貧乏神)(ブッダ)(キリスト)などの様々な神、
不可解に死んでいく人々と、病に倒れる恋人。
そして、現れた連続放火魔の正体と、八神夜の因縁とは。

主人公の名前からして分かるように、あちらこちらに色んな作品のオマージュというにはあまりに直接的な表現が多い。いやだってキリストのビジュアルが完全に聖☆お○さんだった。版権的に大丈夫なのか!? これが本当に円盤化するのか!? と不安になるレベルだ。多分わたしは、8割くらいしか分からなかった。もしかしたら5割くらいしか分かっていないかもしれない。それでも ただただ面白くて笑っていられる、そんな舞台だった。


登場人物には、ほとんどを語り部に徹する噺家役がいる。あらすじにもあるように、"前世 落語死神の主人公であった八神夜(木村昴)"のほかにもう1人同じ立場で、八神夜のあとに死神の主人公になった男が登場する。おそらくなのだが、噺家役の方は劇中の落語シーンでこの2人の男を演じ分けていた と思う。死神の主人公・ストーリーが2パターンあることがそこから分かる。語り部として、完璧な世界観への導入だった。
それを始めとし、キャストたちの演技は引き込まれるほど上手かった。アクションあり、笑いあり涙あり、最後はハッピーエンドでまるで昔のジャンプ漫画のようだ。 途中これは漫才かコントを見せられているのか?中弛み感があるな と思ったところもあった。が、千秋楽でどうやらアドリブ満載だった影響もあるらしいし、見終わったあとにそんなことも気にならないくらいには全体を通して良い舞台だった。
神様たちのビジュアルも良い。記号的にとても分かりやすい。よく見ると、文字がアイロンプリントだったりごく普通の私服を改造だったり組み合わせたりしていた。センスがあると思う。個人的には死神とクピドのビジュアルが好きだ。クピドは矢の造形がめちゃめちゃに細かくて丁寧で凝視しまくった。何で出来てたんだろうあれ。


アクションと言えば、私がちょうど去年の3月に毎日のように通った新撰組の舞台に出ていた役者さんが偶然にも出ていて、やっぱりその人のアクションはめちゃめちゃにかっこいいなぁと改めて思ったりもした。し、その人がアクション演出を付けてたようで、劇中のアクションもかっこよかった。個人的には、その方がとあるシーンでCA○Sネタを入れてきたのが本当に死ぬほどブチ上がってしまった。しかもちょうど私の好きな猫の名前だったので… いや本当にありがとうございました…。



最後は全員出てきてご挨拶、からのカーテンコール。カテコ時はキャストたちが嬉しそうにワーっ!と走ってきて、座長が えー!すいませんありがとうございます!どうする!?何する!?って浮き足立っていたのが大変お可愛らしかった。みんなのハマってること順番に言ってく!?時間が足りねーよ!!って突っ込まれているのも大変良かった。
そして、最後にまたみんなでありがとうございましたー!と頭を下げたところで、客席が立つ。ガタガタっと人が動く気配はしただろうが、お辞儀を終えて頭を上げた瞬間に見えたスタンディングオベーションに、顔が歪むのを見た。女性キャストさんたちは最後の挨拶で耐えていた涙を耐えられず、座長は変顔で涙を何とか耐えているようだった。本当に嬉しそうにしていた。座長がスタオベには慣れてなくて本当にどうしたらいいのか…!みなさんの愛をどうやって受け止めればいいのか分からない、と本当に焦っていた。どうやら、この劇団でのスタオベは初めてだったらしい。座長は、国民的アニメのメインキャラクターで、今や押しも押されぬ大人気覇権ジャンルでもメインを張っている。そんな人がいる劇団でさえ貰ったことがなかったのか、と。
今回舞台がとても素晴らしかったので感謝を表そうとしたら立ち上がるしかなかった。それが、キャストさんたちのこれからの気持ちに少しでも関われたら良いと思う。終演後に、感謝と来年の舞台への期待も込めて物販に寄った。うっかり手持ちが少ないまま行ってしまったので、後日通販で過去円盤を買おうと思う。


* 劇団公式サイトはこちら→天才劇団バカバッカ